合図灯の修復

 合図灯の外側の汚れは,洗剤とブラシによる洗浄でかなり落とすことが可能です. 電線やスイッチ部分が洗浄水につかっても,十分すすいで良く乾かせば基本的にはOKです. 接点,接触片,電球ソケット等は電気接点用スプレー等により導通を復活し,電線も損傷がひどい場合は交換します. また電球は現在の市販のものがそのまま使える場合がほとんどで,使用電圧にのみ注意します.
 点灯させる場合の最大の問題点は,旧式合図灯用のバッテリーが入手困難ことです. そこでこれと互換性のある乾電池ケースを製作して,合図灯に手を加えることなく点灯可能としました. またレンズが破損しているものについては,レジンキャスティングにより修復しています.

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旧式合図灯用バッテリー互換電池ケース
合図灯用のバッテリー(鉛蓄電池)は,4V(TA2-4型)と2V(TA2-2型)がありました. また末期には同サイズの乾電池式バッテリーも供給されていたようです. これらは両側面に電極板が露出し,これと本体の接触片により導通を確保する方式で, 電池を上方から出し入れするのに適した構造です.
左:TA2-4,□62×H118mm
右:TA2-2コンパチ乾電池,W60×D30×H125mm
材料はプラケース,電池ホルダー,めっき銅テープなど一般的なものです. プラケース内に電池ホルダーを収納し,電線を両面に貼り付けた銅テープにねじ留めします. 4V用はケースを2個背中合わせに固定して用います.
ケースサイズ:62×31×112mm,RSコンポ,493-6133
互換電池ケースをセットしたようすです.蓋を閉めれば,本来の使い方で点灯可能です. ただし電球は電池電圧に適合したものに交換しています.
左:白光舎の検車灯(4V仕様)
右:白光式合図灯(2V仕様)
※ヤフオク等に出品の類似製品と,当サイトは全く関係ありません.

破損レンズの修復
列車停止灯のレンズが破損しています(左).
うまい具合に反対側のレンズも同じものなので, これを母型として破損部分より多少大きめにシリコーンゴムで型取りします(右).
シリコーン型に破損したレンズを嵌め合わせ,赤の透明レジンで欠損部をキャスティングします(左).
硬化後に型をはずすと,左上の修復部にねじ穴が復活しています(右).
全体の形を整えた後,継ぎ目が分からないよう外側を削り,磨いた状態です(左).
元通り組み立てて,列車停止灯の修復完了です(右).