合図灯の役割と歴史                      戻りはブラウザのバックボタン

 鉄道創業期の信号機は「場内」と「遠方」のみで「出発」信号機は存在せず, 列車は駅長などの「旗燈合図(きとうあいず)」とよばれる手信号により発車していました. 合図灯は夜間に用いられる手信号機であり,古くは「手提式(てさげしき)信号機」とよばれ, 昼間の手旗(フライキ)に代るものです. また後には夜間の入換えにも用いられるようになり,灯火の動きにより番線を表すなど, 複雑な合図にも用いられるようになりました.
 合図灯の光源は明治時代の油灯に始まり,大正期にはカーバイド(アセチレン)灯が併用されます. これらの光源は燃焼を伴うので温度上昇と換気に配慮した造りとなり,どうしても大きくなってしまいます, また燃料や水などの重量も加わるため取扱いが不便で,煤などの清掃も必要でした.
 一方初期の電灯は油灯に比べて小型・軽量になったものの電池や電球の寿命が短く, 高価にもかかわらず信頼性が不十分でした. しかし戦時中に灯油が物資統制を受けたため昭和17年頃までに油灯は駆逐され, 完全に電灯の時代ととなりました. 時代が進むとともに電灯に用いられる電池も鉛蓄電池から乾電池/NiCd・NiH電池へと進化し, 現在のLED灯へと発展しています.
 初期のメーカーとしては
・白光舎 :油灯→電灯
・磯村産業:カーバイド灯→電灯
・大阪灯具:油灯→電灯
などが大手どころであり,特に白光舎は明治から平成20年代まで,長らく合図灯を供給しました. 現在上記メーカーは合図灯関連事業からは手を引き,これに代わる様々のメーカーが合図灯を生産しています.
・東海交通機械:JR東海用のLED合図灯
・東邦産業:角形LED合図灯
・相鉄興産:相模鉄道用LED合図灯
・アスカカンパニー:JR西用LED合図灯,近鉄用LED合図灯


←合図灯の大きさ比べ.左から磯村産業製「みつびし合図燈」,「手提ガスランプみつびし256号」(どちらもカーバイド灯),白光舎製「廻型合図灯」, 「押型合図灯」,「小型合図燈」,「小型合図燈(作業燈兼用)」.「みつびし合図灯」の高さは33cm.